大学紹介
学科・コース
入試情報
就職
キャンパスライフ
国際交流
ニュース
2014年5月21日(水)にメディアライブラリーCELL CE104にて、第11回トークライブが開催されました。今回は総合文化学部の前川和子先生のお話をうかがいました。タイトルは「ロマンチック大好き! 私の読書遍歴」です。図書館情報学の分野で教鞭をとられている前川先生の読書遍歴とは?
幼少期から大学時代まで、小説・物語を中心に心に強く残った作品の数々をご紹介いただきました。詳しくは先生の「読書遍歴リスト」をご参照ください。
最初にご紹介いただいたのは、先生にとって宝物と言える3つの物語、『ふしぎななしの木』『ベルとまもの』『三つのねがい』。児童向けにわかりやすく書き直されたこれらの本には、どれも原作があります。より魅力的に描かれた内容や挿絵は、それがどんなに原作から遠のいたものであっても、初めて出会った物語として色あせることなく記憶に残り、時に原作の価値を超えます。仮病を使ってまで夢中で読破したデュマの『モンテ・クリスト伯』全7巻をはじめ、中学・高校時代と実にさまざまな本と出会って来られたことが読書リストのラインナップからも伝わってきます。高校時代には、その後大学で卒業論文のテーマに取り上げることにもなるE・T・A・ホフマン(1776-1822)の『黄金の壺』、『悪魔の霊液』とも出会います。いずれも古い翻訳のもので親しんだそうで、新訳よりも古い翻訳の方が言葉遣いや表現が豊かで美しかったと仰っていました。ひとつひとつの作品を紹介するなかで、その物語の面白さとともに描写の美しさについてのお話が何度も語られました。
特に外国文学を多く読まれている前川先生。外国文学にとって“翻訳の力”“語彙の力”は本の魅力を左右するとても重要な要素です。「あの人の翻訳が好き、この人のはちょっと・・・」など、こうしたディテールの好みもまた、本好きには見逃せないポイントなのです。さまざまな本との出会いを大切に慈しんで来られたこと、初めて出会った物語がいつまでも記憶のなかに鮮烈に残っていること・・・先生のお話をうかがうことで、自分のなかの本との出会いや思い出もまた少しずつ蘇ってくる、そんなひと時となりました。あっという間に時間が過ぎてしまい、残念ながらご紹介いただけなかった作品が残ってしまいました。ぜひとも第2回開催を企画して、お話の後半をうかがいたいと期待しています!先生がご紹介くださった作品の数々は、現在、当館の特集コーナーにて展示中です。まだ読んだことのない作品など、この機会にぜひ手に取ってみてください。本との出会い、その記憶をこれからも大切にしてゆきたいと改めて感じたお話でした。
【展示期間】5月下旬まで【場所】メディアライブラリーCELL 特集展示コーナー※一部、貸出できない資料もあります。※貸出中の場合、予約もできます!予約の際は、カウンターまでお願いいたします。